広告運用

2021.12.01

自動入札と手動入札、どっちがいいの?

Google、Yahoo!、Facebook、LINE、Twitter……。
どの広告でも今は「入札価格を自動で設定する」というメニューがあります。
あれってほんとにいいの? という質問をよく受けます。

はっきりと答えましょう。

答えは…… そのときどきによる!

え? はっきり答えてない?
たしかに。
でも、これがいちばん正直な答えなんです。

今まで数多くのアカウントで、自動入札と手動入札の両方を試してきました。
その結果、自動入札のほうがいいときもあれば、手動入札のほうが高い成果を残すこともありました。

 

自動入札のほうがうまくいく場合

  • 使用広告費に対して予算が十分にある(急に広告費が増えてもある程度は大丈夫)
  • キャンペーンのコンバージョン数が多い(月に数十件以上)
  • 予算や目標単価があまり変動しない

こんなときは、自動入札がうまくいくことが多いです。
要は、「ある程度ほったらかしてても大丈夫なアカウント」ですね。

  • コンバージョンの価値が一律である。または数値として計測可能である。

これはちょっと説明が必要ですね。
たとえば、コンバージョンが「1万円の商品の購入」だとしますよね。
この場合、コンバージョンしたのが誰か、ということはほとんど気にする必要がありません。
若い人が買おうが、年配の人が買おうが、外国人が買おうが、商品に対してあまり関心のない人が買おうが、1コンバージョンは1万円の価値を持ちます。

ですが、たとえばコンバージョンが「求人サイトへの登録」のときは、コンバージョンしたのが誰かによってコンバージョンの価値は変わります。
高いスキルを持ってばりばり働きたい人、アルバイトを探している人、すぐに転職したい人、「いい求人があればちょっと見てみたい」ぐらいの熱意の人、それぞれ広告出稿主にとってのありがたみは異なります。年齢や経験によっても、コンバージョンの価値は変わってくるでしょう。
このとき、自動入札だとうまくいかないこともあります。詳しくは後ほど説明します。

自動入札がうまくいかなかったケース①

不動産会社様のケース。
ある程度コンバージョン数が増えてきたので、自動入札に切り替えました。
順調にコンバージョンが獲得できていたのですが、営業社員の休職にともない、2週間ほど広告を停止しました。
2週間後に広告を再開したものの、停止前と比べてコンバージョン率が著しく低下してしまいました。
手動入札に戻したところ、少しずつコンバージョン単価が改善してきました。

自動入札がうまくいかなかったケース②

通販会社様のケース。
こちらも自動入札により安定してコンバージョンが獲得できていました。
ですが、この会社が扱っていたのは季節性のある商品。シーズンを過ぎると売れ行きが落ちます。
そのこと自体は例年のことなので問題ないのですが、
自動入札キャンペーンの場合、コンバージョンが減ると、それにあわせてインプレッション数やクリック数もどんどん減っていきます。
そしてとうとうまったく広告表示されなくなってしまったのです。

自動入札がうまくいかなかったケース③

人材紹介会社様のケース。
Facebook広告の自動入札でコンバージョンを多く獲得できていました。
ところが、現場の人に声を聞いてみると
「最近日本語のできない外国人の登録者がめちゃくちゃ多くて、登録は多いのに売上につながらない」
とのこと。
管理画面上では好成績でも、実際の売上にはつながりにくいコンバージョンだったのです。

自動入札のほうがうまくいかない原因

  • 良いときはどんどん良くなり、悪いときはどんどん悪くなる

目標とするCPAに近づけるため、たまたまコンバージョンがとれない日が続くと、自動入札は配信量を減らして費用を抑えます。
そうすると当然ながらコンバージョンも減る。コンバージョンが減る→配信量が減る→さらにコンバージョンが減る……の悪循環。
ビジネスによっては「コンバージョン単価が上がったとしても、コンスタントにコンバージョン数を確保したい」ということもあるでしょうが、自動入札だとCPAを目標に近づけることを最優先にしてしまうのです。

逆に、コンバージョンが多く取れると、どんどん費用が増えていくこともあります。
月末に急に費用が増えて予算をオーバーしてしまった……なんてこともあるので、予算を厳密に守りたいアカウントでは注意が必要です。
(特にGoogle広告は、日別予算を設定していてもその倍ぐらい使うこともあります)

  • 管理画面の数字をもとに、誤った学習をしてしまう

先ほどの「外国人の登録者が増えた」というケースですね。
自動学習は、管理画面上の数値しか把握できません。「登録した人がその後実際に転職に至ったか」まではわからないのです。
なので、一度「外国人は登録に至りやすい」と学習してしまうと、外国人にばかり広告表示してしまうのです。

「若い人の登録がほしいのに高齢者ばかり来る」
「登録者が特定の地域にばかり偏る」
「転職サイトに無資格者ばかり登録する」
といったことが、自動入札では起こりやすいです。

たいていの場合、「欲しい人ほどCPAが高くなる」傾向にあるとおもいます。
転職サイトでいえば、若くてスキルや経験が豊富な人は集めるのがたいへんです。
自動入札だと、そういった「集めるのがたいへんな人」は切り捨ててしまい、「他社が集めたがらない人」ばかりに広告を配信してしまいがちです。

管理画面の数字だけでは測れない

広告運用担当者と営業担当者、広告代理店と経営者で話すと、
 運用担当者「ほらこんなにコンバージョンとれてますよ」
 売上を見ている人「数字上は好成績かもしれないけど、でも売上は伸びてないんだよ」
ということがあります。
これは、運用者がWeb上の数字しか見ていないことが原因です。

自動入札でもこれと同じことが頻繁に起こるのです。

ECサイトやオンラインゲームであれば、オンラインでほぼすべてが完結するので、
広告管理画面やアクセス解析ツールを見ているだけでかなりの部分を把握できます。

ですが、会員登録や問い合わせをコンバージョンにしているサービスの場合は、オフラインの情報も見ないと真の成果を測れません。

で、結局自動入札はダメなの?

そんなことはありません。自動入札のほうがうまくいくケースもよくあります。
自動入札がうまくいくかどうかは、結局ビジネスによりますし、同じビジネスであってもタイミングによって異なります。

レッツアイの広告運用でも自動入札を利用することはありますが、
「ずっと自動入札で放置」ということはありません。
状況を見ながら、自動入札の目標を変更したり、手動に戻したりして、安定した成果を出せるように手を入れています。

また、クライアント様から「登録者のその後の動き」や「実際の売上」も可能なかぎりお聞きして、
「売上につながりやすいコンバージョン」を増やすことを最重要課題としています。

 


自動入札にしたけど、コンバージョンがとれない、または売上につながらないコンバージョンばかりが増えた、とお嘆きの方は、
ぜひレッツアイにお問い合わせください!