広告運用
2021.03.01
成果の出ない広告媒体を切り捨てる前に
広告運用前のヒアリングで
「あれ? Google広告はやってるのにYahoo!広告はやってないんですか?」
「Yahoo!はぜんぜんコンバージョンがとれないからやめたんだ」
なんて話になることがあります。
これ、すごくもったいないです。
私はこれまでに百近いアカウントを運用してきましたが、
「Google広告ではコンバージョンがとれるけどYahoo!ではぜんぜんダメ(あるいはその逆)」
なんて、たったひとつもありませんでした。
「うちのビジネスはYahoo!の客層にあわないんだよ」というクライアント様の広告を担当したときも、
レッツアイでYahoo!広告を出してみたらコンバージョンがとれるようになりました。Google広告と変わらないコンバージョン単価で。
なぜこのようなことになるのでしょうか。
媒体による差はある
実際、媒体による差はあります。
Google広告よりもYahoo!広告のほうがコンバージョン率が低いとか。
Googleディスプレイ広告よりもLINE広告のほうが客層にマッチしているとか。
それでも、主要な広告媒体(Google、Yahoo!、Facebook、Instagram、LINE、Criteoなど。Twitterはちょっと特殊ですが……)であればまずまちがいなく
「まったくコンバージョンがとれない」ということはありません。
コンバージョン率が低いなら入札単価を下げればいい。
コンバージョン数が少ないなら予算を減らせばいい。
そうすればコンバージョン単価はどの媒体もだいたい同じ水準になります。
「GoogleはいいんだけどYahoo!はダメだね」という場合、
同じ入札単価で同じ予算配分で運用している、という場合がほとんどです。
広告媒体が悪いのではなく、運用の方法がまずいのです。
スマホはダメ、もありえない
「パソコンはいいんだけどスマホはダメなんだよね」なんて場合も同様です。
デバイスごとに正しい入札単価を調整できていないのです。またはスマホサイトがまずいか。
いまどき、パソコンでしかコンバージョンのとれない商材なんてありません。BtoB商材でもスマホでコンバージョンします。
(逆はちょっとあります。スマホアプリなんかは圧倒的にスマホが向いています)
要は比率の問題なのです。PC:スマホ=2:8で予算を配分するのがベストの商材もあれば、7:3 の商材もある。
そこを正しく設定できていないので、特定のデバイスだけが成績不振になるのです。
コンバージョン率が低いからといって止めるのはぜったいにダメ
「Google広告はCPA10,000円だけどYahoo!広告はCPA20,000円」の場合、
Yahoo!広告の配信を停止すれば一時的に成果は良くなります。
運用者としてはすごく楽な方法です。
しかしこれはぜったいにやってはいけません。一時的に数字は良くなりますが、長期的にはまずまちがいなく悪化していきます。
コンバージョン率100%の商材でないかぎり、コンバージョン率は時期によって変動します。
「広告設定にもランディングページにも問題がないのにたまたま成果の悪い日が続く」ことがあるのです。
そんなとき、配信先の媒体が少ないほどダメージは大きくなります。
最近はほとんどの広告媒体に機械学習の要素が含まれているので、
コンバージョンが少ない
→ 学習の精度が落ちる
→ ますますコンバージョン率が落ちる
という悪循環に陥ります。
そんなとき、いくつもの媒体を動かしていると
「Google広告はダメだけどYahoo!広告は悪くないのでこっちに予算を回そう」
「GoogleもYahoo!も調子悪いからSNS広告の比率を増やそう」
と、リスクを抑えることができるのです。
止めると改善ができなくなる
さっきも書いたように、特定の媒体だけ成果が悪いのは運用に問題があるからです。
入札価格を調整する、広告文を変える、ランディングページを変える、ターゲットを狭める、など必ず改善する方法があるはずです。
その方法を見つけるには、直近のデータを見て、別の方法を試し、成果を検証するしかありません。
ですが、配信を止めてしまうと改善ができなくなります。
直近のデータもなくなりますし、別の方法も試せません。ずっと悪いままです。
Aに比べてBは成果悪いから停止、Cも成果悪いから停止……とやっていくと、
「どんなにAの調子が悪くてもAだけで勝負するしかない」となってしまいます。
これは広告媒体だけでなく、「このグループは止めよう」「このキーワードも止めよう」という判断についても同じです。
とはいえ止めたほうがいいことも
とはいえ、よほどの予算に余裕のある案件でないかぎり、すべての広告媒体を運用することは現実的に不可能です。
いつまでたってもコンバージョン率0%のキーワードは止めるべきです。0は何倍しても0ですから。
またコンバージョン率3%の媒体と0.1%の媒体があれば、後者は止めてしまった方が良いでしょう。
予算にも使える労力にも限界はあるのですから。
まとめ
いろんな手法でコンバージョンを獲得するようにすれば、成果が急激に悪化する可能性は低くなり、トータルでのコンバージョン単価も下がります。
一時的に成果が悪いからといって配信を停止すれば、改善の見込みはなくなり、どんどん成果は悪くなります。
現実的にすべての広告媒体を運用することは不可能でも、主要な媒体はなるべく配信を続けたほういいでしょう。
特に検索広告に関しては「GoogleはいいけどYahoo!はダメ(あるいはその逆)」ということは、正しく運用しているかぎりはほとんどありません。
レッツアイで運用しているアカウントはどれも、月によってGoogleが良かったりYahoo!が良かったりしますが、長いスパンで見ればコンバージョン単価はGoogleもYahoo!もほぼ同じです。
様々な広告媒体に出稿することで、リスクヘッジにもコスト削減にもつながります。
社内のリソースが足りなくてあれもこれもできないよ……という方はぜひレッツアイにご相談ください!
運用委託費をさしひいてもコストダウンになることがほとんどです!