LinkedIn広告
2024.12.03
LinkedIn広告とは?LinkedIn広告の特徴・配信面・ターゲティングをわかりやすく解説。
運用型広告を配信する際、たとえば法人向けサービス(いわゆるBtoB商材)などでは、特定の業界や役職、企業規模に絞って広告を配信したい、というご相談を受けることがあります。
こうしたニーズに応えるために活用されるのがLinkedIn広告です。
役職や所属会社の社名、業界、社員数などの情報により精度の高いターゲティングを行うことができるSNS広告です。
この記事では、LinkedInの基本的な仕組みや、他の運用型にはない精度でビジネス情報によるターゲティングが可能なLinkedIn広告の基本的な機能と特徴についてまとめています。
目次
LinkedInとは?
LinkedInは、2003年5月に米国でサービスを開始した、仕事やキャリアに特化したSNSです。
2024年9月時点で、登録メンバーは世界で9億5,000万人を超えており、さまざまな職種・業界の人が利用しています。
ビジネスネットワーキングの場として重要な役割を果たしており、求人情報の検索やプロフェッショナルな情報交換が行われるのが特徴です。
日本では2012年よりサービスが開始され、2024年9月時点、日本国内でおよそ400万人が登録しています。
LinkedInのプロフィール画面ではユーザーの職務経歴や学歴が目出つ位置に配置されるデザインになっていて、LinkedInユーザーは個人ではあるものの、特定の企業での勤務や業務の経験者であることをオープンにしながら交流を行う仕組みになっています。
LinkedIn ユーザーに見られる特徴
LinkedIn のユーザーには、他の媒体と異なる特徴として以下の2つがあります。
特徴1. キャリアを伸ばしたいユーザーが多い
LinkedInを利用するユーザーの最も強い利用動機は「キャリアを伸ばしたいから」です。
それに対しFacebook が「友人と交流したい」、X(旧 Twitter)が「楽しむため」が最も強い利用理由となります。
ユーザーの利用理由から、BtoB ビジネスや、セミナーや転職といったビジネスとも相性の良さを感じさせます。
特徴2. ユーザー全体の約9.3%が意思決定層
LinkedInの公式資料「日本語版 マーケターのための LinkedIn ガイド」では、次のようなユーザー情報が示されています。
- 全体ユーザー数:4億3,300万人
- 意思決定層:ユーザーの約9.3%、つまり約4,000万人が意思決定に関わる層。
- 経営幹部レベル:ユーザー全体の約1.5%、つまり約680万人が経営幹部レベルの役職を持つ。
これらのデータから、LinkedInはビジネスにおける重要なターゲット層へのリーチが可能なプラットフォームであることがわかります。
意思決定層や経営幹部層に効果的にアプローチする広告キャンペーンの策定に役立ちます。
他の SNSとの違い
LinkedIn と他の SNS との違いをご紹介します。
特徴1. 利用目的もビジネス特化
LinkedIn はビジネスに特化した機能をもった SNS です。
以下は有料で利用できる Premium アカウントの利用目的を記載したものですが、これを見ただけでもビジネスに特化した SNS であることが分かるかと思います。
特徴2. つながりに「階層」の概念がある
LinkedInでは、ユーザーとのつながりが「フォロワーの階層」として整理されています。
この仕組みにより、ネットワーク内での相互関係を明確に理解しやすくなっています。以下がその概要です。
1次フォロワー
・自分と直接つながっているユーザー。
・投稿やプロフィールを優先的に閲覧できる。
2次フォロワー
・自分の1次フォロワーとつながっているが、自分とは直接つながりのないユーザー。
3次フォロワー
・自分の2次フォロワーのフォロワー。自分から最も遠いネットワーク。
また、LinkedInではフォロワー階層に基づいてプライバシー設定を調整可能です。
・投稿を閲覧可能な範囲を「1次フォロワーのみに限定」する。
・「つながり申請」を受け付ける範囲を制限する。
・プロフィールの公開範囲を調整することで、自分の情報の表示をコントロール。
などが可能です。
これらの機能により、ユーザーは自分の情報を安全に管理しつつ、適切な相手とだけネットワークを構築することができます。
特徴3. 企業側が、潜在的な転職希望者にアプローチしやすい
LinkedInは、優れた人材獲得や求人情報の発見において非常に有効なプラットフォームです。特に以下の特徴が強みとなっています。
潜在層へのアプローチ
積極的に転職活動をしていないユーザー(潜在層)にもリーチ可能。
・LinkedInのユーザーは、任意で職務経歴や興味をプロフィールに記載します。
・この情報を基にリクエストを送ることで、転職意向のないユーザーにもアプローチできます。
検索機能の充実
業種や職種ごとの検索が可能。
・企業が特定のスキルを持つ人材を求める場合、職種や業種のキーワードで検索し、
適切な候補者を効率的に見つけられます。
高精度のマッチング
プロフェッショナルな背景を活かした精密なターゲティング。
・経歴、スキル、関心分野に基づいた求人マッチングが可能です。
LinkedInの仕組みにより、採用活動が効率的になり、通常の転職市場では見つけにくい人材との接点を持つことができるのが最大の魅力です。
LinkedIn広告を使うメリットは?
FacebookやTwitterなどソーシャルメディアを使った広告手法は他にもありますが、LinkedIn広告は実名、顔出しが原則となっているビジネス特化型 SNSの特性を活かした、他のプラットフォームにはない強みがあります。
仕事やキャリアに関する情報の取得や交換を目的に、一般従業員から大手企業の経営陣など、幅広い層のユーザーが利用しています。
ビジネス情報によるターゲティング精度が高い
LinkedIn広告ではユーザーが登録した正確な経歴情報を活用し、所属企業名、企業規模、業種などを基にターゲティングを行うことができます。
これにより、特定の業界や役職に焦点を当てた広告配信が可能です。
BtoBビジネスや、特定のプロフェッショナル層にリーチしたい場合に効果を発揮します。
ビジネス情報に関心の強いユーザーが集まる
LinkedInのタイムラインやグループ内は、ビジネスに関連した情報のやりとりがほとんどで、ビジネスに積極的なユーザーが多いことが特徴です。
こうしたユーザーの行動特性は、LinkedInの日本代表である村上臣氏が2018年のインタビューで述べた内容とも一致しています。
日本市場におけるLinkedInのポジショニングについて、ビジネスネットワークとしての役割を重視していることを強調しており、これがLinkedInユーザーの特性に直結していると考えられます。
最低出稿金額がなく少額の広告費でも配信ができる
他のSNS広告と同様に少額から開始可能で、柔軟な予算設定ができます。
セルフサービス型の運用が特徴で、広告配信に際して事前にLinkedIn社との契約手続きなどの煩雑な手順は不要です。
一般的なソーシャルメディアでは、プライベート利用が主であるため、ビジネスユーザーに絞って広告でアプローチしようとしてもターゲティングが難しい場合があります。
一方で、LinkedInはビジネス特化型SNSとして、利用目的がビジネスに集中しているため、ビジネスユーザーを的確にターゲティングしやすく、広告効果を高めることができます。
LinkedIn広告の概要
LinkedIn広告の特徴やターゲティングの種類をご紹介するとともに、実際にLinkedIn広告を運用してみての所感をお伝えします。
LinkedIn広告の配信面
LinkedIn の広告配信面は以下の3カ所だけです。
同じ SNS 広告である Facebook が全部で11カ所(Facebook 内8カ所、Messenger 内3カ所)もの広告の配信面を有するのと比較すると、シンプルな仕様になっていることが分かります。
- LinkedIn タイムライン枠内および上部
デスクトップ、モバイル、アプリの「ホーム」に表示されるタイムラインの途中に広告が表示されます。デスクトップ画面の上部にはテキスト形式の広告が表示されます。
- LinkedIn タイムライン枠の右側
デスクトップで「ホーム」のタイムラインを見た際、右側の枠内に広告が表示されます。
この枠は「ホーム」の他、「メッセージ」「お知らせ」「プロフィール」を閲覧している際にも表示されます。 - LinkedIn のメッセージボックス
パソコン、モバイルでメッセージボックスを閲覧した際に広告が表示されます。広告の送り主は個人にすることも、企業やサービス名に設定することもできます。
キャンペーンの目的は7つ、課金方法は4つ、広告フォーマットは8つ
キャンペーンの目的は以下7つの中から選ぶことができますが、選んだ目的によって課金方法、広告のフォーマットが変わります。
LinkedIn広告のターゲティングの種類
LinkedIn広告では、以下のような詳細なターゲティングが可能です。
・会社名: ユーザーが所属する企業の実名を基にターゲティング。
・会社の代表的事業: 業種や業界に基づいて特定のビジネス領域に絞った広告配信。
・学歴: ユーザーの教育背景(学位や卒業校)を基にターゲット設定。
・職務タイプ: 職種や役職に応じて、特定の専門性を持つユーザーにリーチ。
さらに、以下の機能も利用できます>
・ウェブサイトオーディエンス: 自社サイトを訪問したユーザーを基にリターゲティング。
・連絡先リスト: 保有するメールリストや顧客データを活用したターゲティング。
・類似オーディエンス: 既存のターゲットオーディエンスと似た属性を持つユーザーにリーチ。
・除外ターゲット設定: 配信したくないオーディエンスを除外リストに追加。
これにより、広告の精度が高まり、効率的なリード獲得やブランド認知の向上が期待できます。
ただ、ターゲットとして設定したいオーディエンスが少なすぎる場合は「オーディエンスの規模が小さすぎるためキャンペーンを立ち上げることができません。」とアラートが表示され、設定を進めることができません。
実際の管理画面で試したところ、少なくとも500以上のオーディエンスボリュームあれば設定可能です。
LinkedIn広告の注意点は?
まだまだ広告運用経験のある方も少ない新しい媒体ですので、ここでは実際にLinkedIn広告を運用した中で感じたポイントをお伝えします。
「ターゲティング言語」は日本語だけでは不十分
ターゲティング言語設定において、「日本語」を選択した場合の注意点は、プロフィール言語が「英語」に設定されているユーザーには広告が配信されない点です。特にLinkedInは、国際的なビジネス交流の場として英語で利用するユーザーも多いため、日本国内でも「英語」のプロフィールを使用している場合があります。
広告配信を最大化するためには、ターゲティング言語を「英語」と「日本語」の両方に設定するのがおすすめです。この方法により、日本に居住し英語プロフィールを使用しているユーザーにもリーチでき、ターゲットユーザーの取りこぼしを防ぐことが可能です。
デバイス別の調整やレポートの確認ができない
管理画面でデバイス別の配信データを確認することもできません。
そのため、どのデバイスで見てもユーザーが受け取る情報に差がないよう、リンク先ウェブサイトの表示内容を整えるなどの注意が必要です。
1つのキャンペーンに1つの広告フォーマットしか設定できない
もし同じターゲティングに複数の広告クリエイティブを表示させたい場合は、同じターゲティングのキャンペーンを複製して、それぞれのキャンペーンに異なるフォーマットの広告クリエイティブを設定する必要があります。
※:LinkedIn広告には「広告グループ」という名称がなく、「キャンペーングループ>キャンペーン>広告」という構造で広告を管理します
ですので、他の媒体でいう「広告グループ」を複数作るというイメージです。
一度キャンペーンに紐付けたLinkedInページは変更できない
LinkedIn広告を配信するためには、LinkedIn広告アカウントとLinkedInページの紐付けが必須となります。
ただし一度キャンペーンに紐付けたLinkedInページの変更はできません。
紐付けるLinkedInページを変更したい場合は、新しくキャンペーンを作成する必要があります。
複数のLinkedInページを管理している場合は紐付けの際に注意してください。
BtoB商材では特に重宝
BtoB商材では、広告のターゲティング手法が限られるため、最適な配信先を模索することが多いのではないでしょうか?
その中で、ビジネス用途に特化したLinkedInのようなプラットフォームは非常に貴重です。
LinkedInは、職務や業種、企業規模などの詳細なデータを活用してターゲティングできる点で、BtoB商材の広告用途に特化した媒体といえます。
また、LinkedIn広告は2017年以降、定期的なアップデートが行われており、広告機能やターゲティング精度の向上が図られています。
これにより、より高精度な配信が可能になり、LinkedIn社のプロダクト改善への取り組みが見受けられます。
広告配信機能がこれからさらに充実していきそうです。
先行する事例が少なく、広告の配信に踏み切るには少し決断力がいるかもしれません。
しかし、競合がまだ多くない分野に進出することもまた、ビジネスチャンスに繋がる可能性が大いにあると考えます。
LinkedIn広告の今後に期待しましょう。
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決して、押し売りはいたしませんので、お気軽にどうぞ。